WALS-Chapter1 子音リスト

火曜日, 6月 09, 2020

wals 言語学

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公式サイトはこちら
 
トップページには以下のような説明があります。

The World Atlas of Language Structures (WALS) is a large database of structural (phonological, grammatical, lexical) properties of languages gathered from descriptive materials (such as reference grammars) by a team of 55 authors.

ひと言で言うと世界中の言語を音韻、形態、統語、意味などの様々な観点から比較できるサイトです。
 
ひとつのトピックにつき、だいたい200〜500程度の言語を横断的に比較するデータ量と、言語マップによる分布状況の可視化が売り(だと思います)。
 
とりあえず、言語オタクとしてはとても楽しい。しかも内容がCC BYで公開されており、オープンソース、オープンデータ主義者の私はさらに楽しい。
 
最近寝る前にたまにこれを読むので、Chapter1個読んだらそのメモ書きをブログに残していく。
 
ちなみに、ChapterとFeatureがあって、Chapterあたり1~3程度のFeatureが紐付いているみたいだけど私は基本的にChapterを読む。
 
私は英弱&言語学のすべての領域を把握しているわけでないので、間違ってることを書いている可能性もけっこうあります。気になられた点はソースをご確認ください。

子音リスト

Chapter1は音韻論の子音の話。
 
Consonantが子音、Inventoriesが目録みたいな意味です。その言語にどんな子音があるかって話ですね。
 
子音の数は言語ごとに異なります。とはいえ音が1000個とかはないでしょう。
 
話す言葉は違っても人間の喉の物理的な構造は同じなので出せる音のバリエーションにも限度がある、、、というのは言語学の中でも音声を扱う分野における重要な考え方です。

子音の見つけ方

pin, tin, kin, fin, thin, sin, shinのように、「聞き分けるのための差異が最小程度の単語セット」を見つけること。ここで異なる音が子音リストの候補になる。子音だけでなく母音も同様。
 
言いたいことはわかるけど何をもって最小程度の差異とするかわからん?

子音リストのサイズ

英語は24。
最小のロトカス語で6。
最大のコン語は122、この言語には吸着音(舌と上顎をくっつけて離す舌打ちに近い音)が多い。
 
565言語の平均は22.7、中央値は21。
 
Small: 6-14,
Moderately Small: 15-18,
Average: 19-25
Moderately Large: 26-33
Large 34-
 
と階級に分けると頻度分布は正規分布のきれいな単峰型になる。
 
日本語はModerately Smallらしい。

地理的分布

子音リストのサイズが平均的な言語は満遍なく分布。
 
小さい言語は、赤道太平洋地域、南米、北米東部に多い。
 
大きい言語は、アフリカ、ヨーロッパに多く、なぜか北米北西部にも多いけどよくわらかない。

理論的なこと

2点ほど。
 
ひとつには、言語の複雑性は平均的には平等であり、ある観点では複雑な言語は、別の観点では単純だったりするのでは?という仮説がある。
そのため、子音リストのサイズと他の観点を比較したいとのこと。
 
もうひとつは、子音リストのサイズと子音自体の複雑さの関係。ここでいう単純な子音とは、音を聞き分けやすい子音、くらいの意味。つまり複雑な子音は聞き分けがむずかしい子音ということになる。
 
これには一応Size Principleという理論があるらしく、子音リストが小さいほど単純で区別が容易な子音が多いということらしい。これは直感的にも一致する。

参考資料

https://wals.info/chapter/1

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